瀬川おんぷ/おジャ魔女どれみ (2002年10月)

「ふぅ……今日も疲れた……」
MAHO堂のテラスで、少女は軽く溜め息をついた。
ここ最近、仕事が重なったせいで帰ってくる時間は遅い。
MAHO堂のみんなともすれ違いの日々が続いていた。

少女は外階段に腰を下ろし、夜空を見上げた。
満月が、少女を包み込むように優しく光輝いている。
そこにおだんご頭の少女の笑顔を重ねた。
「逢いたいな……」
彼女と出会って三年。
その間に少女の中では、彼女はかけがえのない存在になっていた。
「私の想い、早く気付いてよ……」
少女はハッとなった。
無意識の内に、一滴の涙が頬をつたっていたから。

少しの静寂の後、少女は涙を拭いながら微笑んだ。
「らしくないよね。こんな私」
そして立ち上がって、軽く伸びを一つ。
「うん、逢いに行こう!」
ポケットから魔法のタップを取り出す。
月光の中の少女には、もう迷いの影は消えていた……。


「この時間ならどれみちゃん、ちょうどお風呂タイムだわ♪
思いきって浴室に突入しちゃおうかしら。
こっそりベッドに潜り込んでお出迎えってのもいいわね。
ふふっ、どれみちゃん。今行くわ!
しっかりしっとりしっぽりと癒してね(はぁと) 」

どれみちゃん!逃げて逃げてー!!(T_T